事件概要
2025年10月、フランスで日本サッカー協会技術委員長・影山雅永氏は、約10歳の少女を模した画像(本人はAI生成と主張)を所持・輸入したとして、禁錮 1年6か月(執行猶予付き) の有罪判決を受けた。実在性を巡る議論はあったが、フランス司法は「社会的害悪」「性的表現の助長」を重視し、表現がどのように作られたかだけで罪を逃れさせない判断を下している。
しかし日本では、似たような性被害の訴えでも、
「証拠不十分」「時効」「被害者が障害を抱えている」「外国人被疑者・被害者」などによって
無罪になったり、不起訴/立件すらされないことが多い。
以下、実例と制度の比較を交えてその問題点を整理する。
日本の実例:被害認定されても無罪・不起訴になるケース
| 事例 | 内容 | 無罪/不起訴などになった理由 |
|---|---|---|
| 子どもへの長年の虐待認定も無罪(横浜地裁川崎支部) | 17歳の少女が母親の交際相手から長期間性的虐待を受けていたという認定があった。 中日新聞 | 公訴時効が成立。訴え提出が遅れたため、法律上“請求できる期間”を超えていたとして無罪。被害の告白・認定があったにもかかわらず、立件できない壁として「時効」が存在。 |
| 滋賀医大生2人 強制性交等罪 控訴審で逆転無罪 | 女子大学生に対する強制性交等罪で一審有罪だったが、控訴審で大阪高裁が「被害者が明確に拒否していた表現があったにも関わらず、同意の上の性交等の可能性を捨てきれない」として無罪判決を出した。 滋賀医大生2人に逆転無罪判決 | 「同意の有無」の証明が争点。高校裁では、被害者の供述や言葉だけで「不同意」が明示的という判断が十分ではないとされた。疑いの余地を被告側に残して無罪とする伝統的な刑事法の「疑わしきは被告人の利益に」という原則が働いた。 朝日新聞+1 |
| 知的障害者に対する性加害の立件見送り | 知的障害を持つ被害者が性暴力を受けたが、十分な調査や証拠収集が行われず、立件が見送られることが相次いでいる。 朝日新聞 | 障害を持つ被害者は、記憶の整理や告訴手続きなどが難しいことが多く、説明能力・証言能力・状況説明で不利になりやすいため。「障害に乗じた犯罪」の明確な条項がないことも問題。立法や司法上の配慮が十分に行われていない。 朝日新聞 |
| 被害者が声を上げても、証拠不十分で不起訴になる | 性犯罪被害届の認知率・起訴率が非常に低いとの統計あり。強制わいせつ・強制性交事件のうち、警察に届けられても検察に送られ起訴される件数はごくわずか。 ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト+1 | 示談交渉、被害者の証言以外の物的証拠が乏しい場合や、加害者の主張(同意誤信など)が司法で採用されやすいこと、警察・検察の捜査リソースや被害者支援体制の不備などが原因とされている。 ウェブロンザ+1 |
| 外国人被疑者の性犯罪で不起訴になるケース | 隣に座った女性の胸を揉むなどの強制わいせつの疑いで逮捕された外国人が、示談交渉や被害者側の態度変化などを理由に不起訴となった例。 中村国際刑事法律事務所 – 刑事事件の実力派弁護士集団 中村国際刑事法律事務所 | 被害者の対応(示談や被害届の扱い)・証拠の収集・検察の判断(起訴に足る証拠がそろっていない)などが影響。外国人だから特別な処置があるとは公にはされていないが、「言語・文化の障壁」「居留資格等の問題」が捜査・証言取得などで困難をもたらすことが指摘されている。 |
まとめ
日本では性犯罪に対する対応・判決が甘いという現状があることを知ってほしい。
特に、ストーカー被害では明確な証拠と実害がないからと警察が対応せず、そのまま殺害・レイプされることが起きている。
海外の事例を見ても、性加害事件に対する日本の対応には今後改善すべきところがあることは明らかであるため、影山氏のように、「生成物」であっても性的表現として社会的に有害と判断されれば罪になるという判断がフランスで示されたことは、日本にとって重要なモデルであるだろう。


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